TRONかな配列を中指シフト化してみた

2021/01/26: 最新版を別記事として書きました。

名付けて「中トロ配列」。*1
かな入力を導入しようと思って月配列 U9 版を5日間ほど試してみたけど、これが全く慣れる気がしない。「ん」「っ」「る」「た」など語末っぽい字が人差指にあり、キーボードの外側から内側へ流れていく手の動きが脳に馴染まないようだ。そういう観点であらためて配列をサーベイしてみると、TRON キーボードのかな配列「ん」「っ」「た」「る」が小指か薬指にあり、キーボードの内側から外側へ向かう流れが馴染みやすそうな気がした。TRON 配列は親指シフトだが、私の親指は機能キーのワンショットモディファイヤで手一杯(指一杯)だ。そこで、月配列 U9 版の考え方を TRON 配列に適用し、中指と薬指で前置シフトする変形 TRON 配列を作ってみた。

設計方針

  • 物理形状が左右対称なキーボードを前提とする(例: NISSE, μTRON)。「左手下段は打ちにくい」といった物理形状に起因する問題を論理配列の設計に持ち込まない。
  • Google 日本語入力のローマ字カスタマイズで実装する。キーボード関係の常駐ソフトをこれ以上増やしたくない。
  • シフト方式は月配列 U9 版の考え方を採用する。[D] か [K] を押すと★面に、[S] か [L] を押すと▲面に、[D][K] か [K][D] を押すと▼面にシフトする。左右のシフトキーは区別しない(同手シフトなし)。
  • 読点は [S] と [K] の同時打ち、句点は [S] と [L] の同時打ちで入力する。[S][K] と [K][S]、 [S][L] と [L][S] をローマ字テーブルに定義しておき、どちらが先に入力されても同じ結果となるようにする。
  • 文字の並べ方は TRON 配列の考え方を採用する。原則としてアンシフト面と★面は清音、▲面は同位置の清音に対応する濁音。加えて▼シフト面を設け、低頻度文字と、4ストローク以上となる一部拗音の救済用ショートカットを置く。

定量評価


左が段列ごとの負担率、右がキーごとの負担率。なかなか良いバランスになったと思う。他の配列との比較は後日。

月配列の導入を検討する

日本語入力方法として、10年前までは自作の行段系8母音ローマ字配列「やつがしら」を使っていたが、ここ10年は普通のローマ字入力を少しだけ拡張した配列(「ん」「っ」「ー」を専用キー1打で、拗音を2打で打てるように拡張したもの)に戻っていた。しかし、やはりローマ字では快適さに限界がある。ここらでローマ字入力に見切りをつけて、かな入力の導入を検討しよう。

要件

  • 現在使用しているキーボード(次の3種類)のどれでも使えること。
  • IMEのローマ字カスタマイズだけで実装できること。

以上の要件を満たすのは中指逐次シフトの月配列系である。

既存手法の評価

月配列系は各作者が数値評価を行っているが、どれもサンプルが小さすぎてアテにならない。そこで、国立国語研究所現代日本語書き言葉均衡コーパスを使って既存の配列を再評価した。ただし、当該コーパスの全データを入手するには利用契約が必要で面倒なので、ここではBCCWJ長単位語彙表 (Version 1.1) のうち度数22以上の約10万語彙をサンプルとして使った。原文ではなく単語ごとの頻度表なので、単語内の運指は考慮されるが、単語をまたぐ運指は考慮されない。
結果は次のとおり。表の一番右の列は指ごとの負担率を示す。

どの配列も作者のノウハウが注ぎ込まれているわけだが、やはり作者ごとに異なる設計思想が透けて見える。なかでも、濁音を清音と同じ位置に置くか別の位置に置くかが大きな分かれ道のようだ。

方針

評価結果を踏まえて自分がどこから始めるかを考えているが…うーむ。
まぁ、どうせ後から自己流カスタマイズに走るだろうし、とりあえずは初めてのかな入力ということで、覚えやすそうな清濁同位置の「月配列 U9」を採用してみようかな。

評価プログラム

エスリルさんの比較ツール改造したもの

後者のページには初期値としてBCCWJ短単位語彙表 (Version 1.1) のうち度数555以上の約1万語彙が入力されている。かな配列はHTML内にハードコーディングされている。

ReadyNAS 104 がファイル削除で固まる

100GBのファイルを削除しようとすると固まる。top を見ると btrfs-transacti が CPU を食っている。そのうちメモリを食い尽くしてスワップし、OOM Killerが働いて無関係なやつを殺しまくる。最終的に電源ボタンも反応しなくなり、電源ケーブルを抜くしかなくなる。
次の対策で直った。

ユピテルのドラレコ

ユピテルドラレコ DRY-WiFiV3c からGPSデータを取り出して Google Mapsマッピングするメモ。

  1. 付属のソフト PC Viewer DRY TypeH で MOV ファイルを読み込む。
  2. %USERPROFILE%\Documents\PCSW\NMEA\PCSW\NMEA\*.txt に NMEA ファイルが生成される。
  3. で NMEA ファイルをインポートし、KMZ ファイルをエクスポートする。
  4. KMZ ファイルを Google Maps にインポートする。

NMEA2KMZ で変換した KML や GPX は Google Maps に表示できなかった。理由不明。

Phase 25e

NISSE のファームウェア側でワンショットモディファイヤを処理するバージョン。

  • 上がキーボード単体、下がのどかを通したあとの仮想キー。見てのとおり、のどかの仕事は非常に少ない。
  • ファームウェア v0.22 で Fn+[ 6 ] = [F6] のようなマッピングをすると Fn+[F6] と見なされて NISSE のモード切り替えが行われてしまう。これを回避するため、Fn 面にファンクションキーを含む割り当てをしないようにした。
  • ファームウェアでは Alt+Tab のエミュレーションができないので Alt+Esc とした。
  • 記号キーの [-_] と [/?] を入れ替えた。

ダウンロード

エスリル NISSE ファームウェア改造ガイド (5)

エスリル ニューキーボード − NISSEファームウェアを自分用に改造するメモ。

7. Fn キーをワンショットモディファイヤ化する(続)

NISSE の Fn キーをワンショットモディファイヤ化して、単独で押して放したときは別のキーとして働くようにしたい。具体的には、[左Fn] の単打を [F14] に、[右Fn] の単打を [F13] にしたい。…という話を開発者の岡坂さんに提案したところ、Bluetooth 版の開発に合わせて実装してくださった。というわけで早速(14か月経った今日)この変更を取り込んでみた。Fn 面のマッピングPhase 25c をベースとして若干変更してある。

実は前回の記事で書いたとおり、ワンショットモディファイヤをドライバ側で(のどかを使って)実現することはできているのだが、あの実装には問題があった。たとえば Fn+[ J ] を [←] に、[Fn] の単打を [英数] にマッピングしたとする。このとき、[Fn] を押しながら [ J ] を押したら [←] が入力されてほしい。一方、[ J ] を押しながら(放す前に) [Fn] を押したら [英数] が入力されてほしい。前回の実装では後者の場合にも [←] が入力されてしまい、文章入力中に文字キーと Fn キーがロールオーバーすると意図しない挙動が発生してしばしば混乱した。

今回ワンショットモディファイヤをキーボード側で実装したことでこの問題が解決することを期待していたのだが……、試してみた結果、今回の実装では解決しなかった。ソースを読むと確かに、キーが押された順番を判定するロジックは入っていないようだ。うーむ、ならばいっそ、キーボード側では Fn キーをモディファイヤではない普通のキーにしちゃって、完全にドライバ側だけでモディファイヤ化する作戦の方がスッキリしそうだなぁ…。

11/11 追記

問題を明確にするためにタイミングチャートを描いてみた。「HHKB ProJP+のどか」が理想の挙動、「NISSE v0.19-mobitan+のどか」が前回の実装、「NISSE v0.21 CXモード」が今回の実装だ(v0.22 も同じ挙動)。NISSE は [ J ] を押しながら(放す前に) [Fn] を押したら [←] が入力されてしまうことがわかる。

11/12追記

開発者の岡坂さんに報告したところ、「NISSEのCXモードの実装については、現在の動作が弊社の意図どおりの動作となっております」とのご回答をいただけた。なるほど。

日本人名にマッチする正規表現

たまに必要になるけど、そのつど書くの面倒なので。

^([kstnhmrgzdbp]?([aiueo]|y[auo])|w[ao]|(sh|ch|j)[aiuo]|(ts|f)u)((?<=o)h|([ksthmrgzdbp]|n['-]?|m[mbp]|kk|ss|tt|gg|zz|dd|bb|pp)?([aiueo]|y[auo])|w[ao]|(s?sh|t?ch|j?j)[aiuo]|(t?ts|f)u|n)* ([kstnhmrgzdbp]?([aiueo]|y[auo])|w[ao]|(sh|ch|j)[aiuo]|(ts|f)u)((?<=o)h|([ksthmrgzdbp]|n['-]?|m[mbp]|kk|ss|tt|gg|zz|dd|bb|pp)?([aiueo]|y[auo])|w[ao]|(s?sh|t?ch|j?j)[aiuo]|(t?ts|f)u|n)*