エスリル NISSE ファームウェア改造ガイド (5)

エスリル ニューキーボード − NISSEファームウェアを自分用に改造するメモ。

7. Fn キーをワンショットモディファイヤ化する(続)

NISSE の Fn キーをワンショットモディファイヤ化して、単独で押して放したときは別のキーとして働くようにしたい。具体的には、[左Fn] の単打を [F14] に、[右Fn] の単打を [F13] にしたい。…という話を開発者の岡坂さんに提案したところ、Bluetooth 版の開発に合わせて実装してくださった。というわけで早速(14か月経った今日)この変更を取り込んでみた。Fn 面のマッピングPhase 25c をベースとして若干変更してある。

実は前回の記事で書いたとおり、ワンショットモディファイヤをドライバ側で(のどかを使って)実現することはできているのだが、あの実装には問題があった。たとえば Fn+[ J ] を [←] に、[Fn] の単打を [英数] にマッピングしたとする。このとき、[Fn] を押しながら [ J ] を押したら [←] が入力されてほしい。一方、[ J ] を押しながら(放す前に) [Fn] を押したら [英数] が入力されてほしい。前回の実装では後者の場合にも [←] が入力されてしまい、文章入力中に文字キーと Fn キーがロールオーバーすると意図しない挙動が発生してしばしば混乱した。

今回ワンショットモディファイヤをキーボード側で実装したことでこの問題が解決することを期待していたのだが……、試してみた結果、今回の実装では解決しなかった。ソースを読むと確かに、キーが押された順番を判定するロジックは入っていないようだ。うーむ、ならばいっそ、キーボード側では Fn キーをモディファイヤではない普通のキーにしちゃって、完全にドライバ側だけでモディファイヤ化する作戦の方がスッキリしそうだなぁ…。

11/11 追記

問題を明確にするためにタイミングチャートを描いてみた。「HHKB ProJP+のどか」が理想の挙動、「NISSE v0.19-mobitan+のどか」が前回の実装、「NISSE v0.21 CXモード」が今回の実装だ(v0.22 も同じ挙動)。NISSE は [ J ] を押しながら(放す前に) [Fn] を押したら [←] が入力されてしまうことがわかる。

11/12追記

開発者の岡坂さんに報告したところ、「NISSEのCXモードの実装については、現在の動作が弊社の意図どおりの動作となっております」とのご回答をいただけた。なるほど。