魔法少女リリカルなのは

魔法少女リリカルなのは (メガミ文庫)
小説のなりをした脚本。
都築真紀さんは脚本家であって小説家ではないということが、その直裁で説明的な文章から見て取れる。わかりやすい表現で相手にストーリーを 100% 伝える能力は、なまじなレトリックに溺れる文学屋よりよほど高く私は評価するのだけれども、この本は文庫の体裁をとっているので、うっかり小説だと思って読み始めたら置いてけぼりを食らってしまった。これを出版するならむしろ、イラストとか設定資料とか絵コンテとかをふんだんに(文章と1対1ぐらいの割合で)織り交ぜて、B6判ないしA5判のストーリーブックに仕立てた方がよかったんじゃないかな。
まぁ自分じゃ買わないだろうこの手の本を買ってくれた YASAKA 氏には感謝。アニメを1回見ただけでは展開が早すぎて分からなかった戦闘の進行とか、アニメでは描かれなかった過去の話とかが脚本家自身の手で書かれ、読んですっきり腑に落ちた。にゃるほど、そういう話だったのかー。