c-Japan 宣言 ―情報を糧とした日本の未来ビジョン―
NII *1 の宣伝本。国立の研究所にとって活動内容の宣伝は存在意義に直結するのでとても重要、というかぶっちゃけ来月からは我が身のことだ。しかしこの本は……内容が薄くてまとまりがないと言わざるをえない。「ハードパワーからソフトパワーへ」といった大上段の話と「連想検索」といった個別技術の話が散り散りに入り交じっていて、「連想検索がどうしてソフトパワーに役立つのか」といった中粒度の論拠があまり示されていないから、それが「情報を糧とした日本の未来ビジョン」だと言われてもピンと来ないんだな、きっと。今後自分が対外的な文章を書くときは、大粒度から小粒度まで飛躍なく論拠を示すように気をつけよう。
巻末の東倉洋一氏による『c-Japan 宣言』は、「ということ」「というもの」「というような」を視神経レベルで読み飛ばす練習に最適な文章です。
