山姫アンチメモニクス

山姫アンチメモニクス (電撃文庫) 山姫アンチメモニクス〈2〉 (電撃文庫)
ライトノベルはこうでなくっちゃ!
人里離れて暮らす山姫の姉妹:人間の記憶を抜き取る術を持つ姉・風花と、抜き取られた記憶を戻す術を持つ妹・翠。ある日、気まぐれな風花は「悩みに関する記憶を抜いてしまえばみんな幸せになれる」と言い出して街に降りた。主人公・カズキはなぜかトイレに関する記憶を抜かれてしまってさあ大変! あとを追ってきた翠とともに、騒動の後始末に駆け回るドタバタコメディ。
「記憶を失ったらその人のアイデンティティも失われるのか」とか「コミュニケーション不成立によって引き起こされる悲劇」とか、脳科学的/社会学的なテーマ*1を後ろ手に隠してるんだけど、それらを開陳せずあくまでコメディとして完結させてくれた点が非常に嬉しい。やっぱりライトノベルはライトなエンターテインメントでないとね。続刊が出ないっぽいのが非常に残念。<懺悔>そもそもの購入動機は絵師さんのファンだったから。イラスト買いで大当たりなんて珍しい!?

*1:養老孟司先生が好きそう。私も彼の世界観は好き