続・2000年代の椅子を買いますよ

オカムラのガーデンコートショールームに突撃してきた! 客いなすぎワロタ! そして目当てのエルシオ。こいつは格が違うぜ。バロンとエルシオで迷ってたんだけど、それはアルファロメオ147セドリックを比べるようなもので、そもそもクラスが違うので比較にならない感じ。

ルシオ
ふかふか系。座面、背もたれともクッション。クッションは骨に引っかけてマジックテープで留めてあるだけなので、外して洗えそう。ヘッドレストもクッション製で左右にやたら大きいため、後方の音が吸収されるのが特筆すべき点。椅子の善し悪しを語るのに「音」を持ち出す人は少ないようだけど、人間もネコと同様に周囲の反響音から空間把握をしているわけで、後ろから音が聞こえる=背中がガラ空きのときは無意識のうちに後方を警戒して緊張している。だから後方の音が遮断されると安心感が得られて緊張がほぐれ、目前の作業に集中できるのだ。この「安心感」は他のメッシュチェアやヘッドレストの小さい椅子にはない特徴だと思う。ヘッドレストの支柱は自動車のシートと同様、切り欠きの入った2本の金属棒で、勝手に動いたり軋んだりしない丈夫な構造。リクライニング角度は上限と下限がそれぞれ独立に調節可能。アームレストはボタンを押しながら上下に動かせるほか、前後にスライド、左右に回転できる。ただし、内側へは45°か60°ぐらいまでしか回らないうえに幅がやや広いので、アームレストを机上面と同じくらいの高さにして机にくっつける(後傾姿勢でキーボードを打つセッティング)には今一歩引きが足りない。このへんは設計の古さを感じる部分だな。後傾専門だと言われてるのはまったくその通りで、背もたれを限界まで起こしても座面は後傾してるから、前傾姿勢で書き物をしようとすると猫背になってつらい。とはいえ、ふかふか系なのでイレギュラーな姿勢への対応度は高く、横座り、あぐら、体育座りのいずれでも不快感は感じなかった。ただし夏はエアコン必須。全体的に言って重厚長大型の古い設計、それだけに造りは丁寧でコストがかかってる感じ。これが11万円ならコストパフォーマンスは良いんじゃないかな。
バロン
すかすか系。座面クッション、背メッシュ。ヘッドレストもメッシュで遮音性なし。可動ヘッドレストの支柱はプラスチック一体成形で、ぐらつきがある。リクライニングは「全域可動」「任意の位置で固定」のどちらか。アームレストはラチェットで上方向にしか動かせず、一番上まで行くと一番下まで落ちる方式。アームレストの可動範囲が手前側・下側に広い点は設計の新しさを感じる。イレギュラーな姿勢でも強い不快感は感じないが、強いて言えばアームレストの厚みがないので横座りしたとき背中が当たると痛いかな。全体的に言って軽薄短小型の新しい設計、モノの造りとしては4〜5万円ぐらいの感じ。これが9万となると一体デザイン料をいくら払ったんだと言いたくなる罠。

結局バロンかエルシオかと言ったら、まぁコストパフォーマンス云々は抜きにしても、「音」のファクターを含むエモーショナルな面からエルシオに軍配を上げちゃいたくなりました。